
出汁が香りに変わる、その一瞬を閉じ込めて
〜漫画『食戟のソーマ』の「化けるふりかけ」を灯庭カフェ帖流に〜
あの「化けるふりかけ」を、灯庭カフェ帖らしい静けさの中で。
熱々のごはんに仕込んだ煮こごりがゆっくりと溶け、
香ばしい肉味噌と卵そぼろがやさしく混ざり合う。
手羽先を焼いて煮出した出汁は、自然なゼラチン質でやわらかく固まり、
冷えると煮こごりに、温もりに触れれば香りへと姿を変える。
黒い器に映える黄色と茶のコントラストが、
一匙ごとに移ろう味わいを静かに引き立てます。
🥣 材料(2人分)
🍚 丼のベース
・炊きたてごはん … 2膳分
🍲 香ばし煮こごり
・手羽先 … 6〜8本
・水 … 500ml
・しょうゆ … 大さじ2
・酒 … 大さじ2
・みりん … 大さじ1
・生姜スライス … 2〜3枚
・長ねぎの青い部分 … 1本分
🥚 卵そぼろ
・卵 … 2個
・砂糖 … 小さじ1
・塩 … ひとつまみ
🍗 香ばし肉味噌
・煮こごり用に煮た手羽先のほぐし身 … 約100g
・ごま油 … 小さじ1
・おろしにんにく … 小さじ1/2
・しょうゆ … 大さじ1
・みりん … 大さじ1
・砂糖 … 小さじ1
・味噌 … 小さじ2
・七味唐辛子 … 少々
🌿 仕上げ
・刻みねぎ … 適量
🧑🍳 作り方
- 手羽先を焼く
フライパンを中火で熱し、油をひかずに手羽先を皮目から焼く。
両面にこんがりとした焼き色がついたらOK。 - 煮こごりを作る
焼いた手羽先を鍋に移し、水・しょうゆ・酒・みりん・生姜・ねぎを加える。
沸騰したらアクを丁寧に取り、弱火にして約2時間じっくり煮込む。
骨や皮からゼラチン質が溶け出して、出汁が少しとろみを帯びてきたら火を止める。
煮汁を濾して容器に入れ、冷蔵庫で半日〜一晩冷やす。
しっかり固まったら包丁で1.5〜2cm角に切り分け、仕上げ用の煮こごりとして使う。 - 香ばし肉味噌を作る
煮こごりを取った後の手羽先の身をほぐす。
フライパンにごま油とにんにくを入れて弱火で香りを出し、ほぐした肉を加えて中火で炒める。
しょうゆ・みりん・砂糖・味噌・七味を加え、水分が飛んで艶が出るまでしっかり炒める。 - 卵そぼろを作る
ボウルに卵・砂糖・塩を混ぜ合わせる。
フライパンを中弱火にかけ、油をひかずに卵液を流し入れる。
木べらで絶えずかき混ぜながら、ふんわりとしたそぼろ状に仕上げる。
焦らず、弱火でゆっくり火を通すのがポイント。 - 盛り付ける
丼に炊きたてのごはんを盛り、中央を軽くくぼませる。
香ばし肉味噌を中央にのせて高さを出し、まわりに卵そぼろをふんわりとのせて黄色の層をつくる。
最後に冷やした煮こごりを中央にのせ、熱々のごはんに触れて溶け出す出汁の香りを楽しむ。
刻みねぎを散らし、黒胡椒をひと振りして仕上げる。
🍋 アレンジ・ポイント
- 香りの余韻を重ねて
煮こごりを作る際に、柚子皮や山椒の実を加えると、出汁の香りに奥行きが出ます。
冬場は生姜を少し多めに入れても◎。ほっとする温かみが加わります。 - トッピングで個性をプラス
仕上げに七味や温泉卵を添えると、まろやかさと刺激のバランスが絶妙に。
卵黄のとろみが出汁と溶け合い、“がっつり系カフェ丼”として満足感もアップ。 - 味の変化を楽しむ
ごはんに混ぜず、三層のまま食べ進めるのがおすすめ。
箸を進めるたびに、肉味噌の香ばしさ → 卵のやさしさ → 出汁の香りと、
味のリズムが少しずつ「化けて」いく感覚を楽しめます。 - 季節の一匙を添えて
春は木の芽、夏は青じそ、秋は柚子胡椒、冬は白髪ねぎなど、
季節の香味をひと添えするだけで、表情の違う一膳に。